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2023.10.20

研修医ブログ

牧丘病院研修レポートvol1.研修医が学ぶユマニチュード

#研修医

10月に入り、やっと過ごしやすい気温になってきましたね。
最近食べた、小淵沢にある“かつみ食堂”のジンギスカンがたまらなく美味しかったので紹介します。

1週間以上前に連絡しないと予約が取れないほどの人気店ですが、気になる方はぜひ!

さて現在、牧丘病院にて地域医療研修を行っています。本院から外に出て3週間が経ちましたが、私のことを覚えていますでしょうか??

2年目研修医の渡部です

たまにはご飯や観光についてではなく、しっかり研修で学んでいることを発信します!
総合診療科の岡本雄太郎先生を始め、多くの先生から様々なことを学んでいます。

ユマニチュードとは

突然ですが、ユマニチュード(Humanitude)を知っていますか?
イヴ・ジネストロゼット・マレスコッティが考えた、医療・介護を行う上で重要となる哲学・実践技術のことです。

簡単に言うと、ケアを行う人(医療者や介護師など)と行われる人(患者や施設の利用者など)との間に必要なことは絆であり、その絆をはぐくむために①見る ②話す ③触れる ④立つための援助 という4つの柱が必要であるという哲学と、その哲学の上に150を超える実践技術が必要であるということです。
(参考:「ユマニチュード入門」本田美和子 医学書院

入院中の患者を回診したり、訪問診療にて自宅や施設を伺う際、私たちはつい無意識に「問診・診察という業務のために、患者に会いに行く」と考えがちです。しかし、それは業務を遂行しただけの自己満足にすぎず、患者のためになっていないと、今回Humanitudeを学び改めて感じました。

患者の健康維持・フレイル予防には、問診や診察による異常の有無を知ることも大切ですが、患者のケアのレベルを知り、ユマニチュードにある4つの柱を意識することも重要であると考えるようになりました。

絆を意識すること

牧丘病院では、訪問診療を中心に行い認知症の高齢者が入所するグループホームや高齢者住宅を訪問する機会が多くあります。
学生の頃から興味があった訪問診療に、ほぼ毎日同行させてもらえるので、とても充実しています。

牧丘病院のある地域(遠景)

今回の研修では、Humanitudeの考えを意識することに重点を置いています。
会話が成立しない認知症患者や言葉を話せない患者、口数が少ない患者もいます。しかし、会話ができるかどうかに関わらず問診・診察を行う前に、患者の正面に立ち、しゃがみ込み、目線を合わせることで患者にポジティブなイメージを与え、問診・診察が円滑に進められるということを学びました。

会話ができなくても目を合わせること、話しかけることが大切です。
「認知症があり口数が少ない」「脳梗塞により会話ができない」という理由で、ほとんど言葉を発さずにいきなり患者の前に行って診察しがちですが、患者からすると「いきなり来て、目線も合わない不審な人が体に触れた」というマイナスイメージになるだけです。

認知症患者は短期記憶が困難で私たちと会ったことも忘れてしまいますが、感情は残っており、「誰かに何か良いことをしてもらった」とイメージを持ってもらうことが重要であるという岡本先生からの指導が印象的でした。

健康維持のために問診・診察を行い、薬剤の処方や診察・検査を行うことは医師として大切ですが、患者との「絆」をはぐくむためにHumanitudeの考えを実践することも健康維持に大切であることを学び、現在、牧丘病院での研修で実践しています。

訪問診療中の車窓から

Humanitudeについて少しでも興味がありましたら、「ユマニチュード入門」(医学書院)がおすすめです!
看護師や介護師の患者へのかかわり方、仕事のやりがいにつながる考え方を中心に記載されています。しかし、医師としても患者への対応について考えさせられる内容で、医療・介護関係者であれば読んで損はない内容になっています。是非!

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