2022.04.11
研修医ブログ
多職種研修~医療と福祉の結節点
こんにちは。研修医1年目の花輪です。
今年から度々こちらに登場すると思いますのでぜひ、読んでみてくださいね。
今回は先日実施した、多職種研修の1つ、MSW研修の様子についてお伝えしようと思います。
MSWって知ってますか?
皆さんはMSW(医療ソーシャルワーカー)という言葉は聞いたことがあるでしょうか?
Medical Social Workerの略称で医療分野における社会福祉の専門職です。
相談内容は、経済的な問題の援助、介護の問題の援助、障害者手帳や年金などの社会生活上に関する援助など多岐に渡り、患者さんが不安に感じられている内容をお聞きし、各問題に対して活用できる社会保障制度をお伝えしその人らしい暮らしが実現できるように手助けしていきます。
この記事を読んでる貴方は、医療へのアクセスや費用について不安を抱えていないかもしれません。ただ現実には月々5000円の医療費支払いに苦慮されている方や、ギリギリまで医療機関を頼れない方がいらっしゃいます。
残念なことに、そういった苦境にある方々が行政に助けを求めようとしても他部署にたらい回しにされたり、煩雑な手続きを求められたりと、なかなか支援に辿り着けない現状があります。中には難易度の高さに助けを求めることを諦めてしまう方もいらっしゃいます。
そこで「社会福祉士」という国家資格をもつMSWがそういった困難を抱えている患者さんに介入することで支援へとつなげていきます。
実際の現場で見たものは?
今回の研修ではまず最初にMSWについて簡単なレクチャーをしていただきその後、実際に患者さんの元へお伺いし、抱えている問題のヒアリングをさせていただきました。
なかなか大学の実習では疾患の治療に関する場面を見ることが多く、こういった生活背景についてのお話を聞く機会が少なかったので非常に勉強となりました。
その後は病棟カンファレンスにも同席させていただき、医師・看護師などと混ざりながら、MSWの視点で患者さんが退院後、通常の生活に戻るためにどのような支援が必要なのか議論をしている場面に立ち合わせていただきました。
MSWさんからのお話で印象に残ったこと
今までMSWさんと関わる機会がなかったので合間合間でたくさん質問をさせていただき、数多くのことを教えていただきました。
その中で印象的だったこととして、「困難を抱えている方へ支援をつなげる難しさ」を挙げたいと思います。患者さんに限らず、人は大なり小なり問題を抱えています。何に困っているか分かっていたり、誰かしらに相談できれば対応の仕方があるのですが、「何に困っているのだけどそれが何かわからない」、「困っていることを伝える方法がわからない」「どこに相談すれば良いのかわからない」という場合は介入が非常に困難になります。そういった方と偶然にも、関わることになったMSWを始めとする医療従事者が患者さんの今後を手助けするきっかけになることがあるそうです。
普段、疾患の治療にだけ集中しがちになりがちな医療スタッフも注意深く観察して欲しい、というお話が印象的でした。
終わりに
短い時間でしたが、学ぶことが多い充実した研修でした。今後も多職種研修が続きますが頑張っていきたいと思います!これから初期研修医の仲間も続々とブログを更新していくのでぜひみてください!
また、甲府共立病院では医学生の病院見学・実習の受け入れもしております。ここでは書ききれない興味深いお話をMSWさんからたくさん聞くことができるのでぜひ興味ある方はお問い合せください!
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