2022.06.03
研修医ブログ
グラム染色の奥深さ
こんにちは、研修医1年目の森下です。
「お前は勉強をしているのか」と上級医に問いただされそうな頻度でブログを書いております。
こんなに高頻度で記事を書きたいわけではないのですが、
「研修の様子を多くの人に知ってもらうために書け!」と某事務から言われ…
そんなことを1年目が断れるはずもなく、記事を書いております。
甲府共立病院では研修の一環で指導医カンファというものが毎週行われております。
テーマとしては
・われら初期研修医のボス・志村先生からのCovid-19対応レクチャー(とてもありがたい)
・山梨大学の桐戸教授からの血液レクチャー(とてもありがたい、もはや尊い)
・病棟業務に大きく関与するリハビリ処方に関するレクチャー
などがあります。
そのなかで先日、グラム染色研修を行いました。
まずはじめに、
検体の取り扱いなどに注意し、感染対策を十分に行い開催しております。
感染症診療の基本として、起因菌の評価が重要です。
グラム染色は医学の教科書を開いたことがある方ならご存じかと思いますが、細菌を評価する紫と赤のアレです。
今回自分たちでグラム染色してみての感想ですが、
とにかく難しい!!
まず標本の作製ですが、スライドガラスに検体を薄く延ばせない!!!
そして顕微鏡で覗いても、何がいるのか分からない!!!
普段、診療の中で細菌感染症を疑ったとき、その起因菌を知るために電子カルテを3~4回クリックし依頼をしています。
あー、3、4回のクリックくらい自動的に反映されないかな、なんて思いながらポチポチしておりましたが、今回の研修を通してその考えは改めさせられました。
自分でやっていたらグラム陰性桿菌なんて見逃しているでしょう。
そもそも不適切な検体をたくさん生み出していると思います。
そんなグラム染色を、検査技師さんが美しい標本を作り、隅から隅まで鏡検して起因菌を見つけてくださっているからこそ適切な治療を行えております。
まじで検査技師さんに感謝です!!
指導医カンファは勉強になるのはもちろんですが、新たな発見もたくさんあります。
病院見学などの機会があれば皆さんも体験してみてください。