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2022.12.06

研修医ブログ

風邪にはハチミツが効果を示す!?

#研修医

こんにちは、W杯中継に齧り付いている渡部です。
クロアチア戦は最後の最後まで熱かったですね!

さて、11月から始まった小児科研修も2ヶ月目に入り、外来や健診等の業務をスムーズに行うことができるようになりました。
今回は外来についてご紹介します。

小児科とかぜ症候群

研修医1年目は主に発熱・感冒外来を受診するお子さんを診察します。

発熱対応はお馴染み?感染防御をしっかりと

お子さんが発熱・感冒で来院した際、多くはかぜ症候群です。
乳幼児では、発熱と鼻汁が一般的な症状で、中耳炎や副鼻腔炎を合併する人もいます。私も小さい頃には風邪をひき、中耳炎を発症し何度も耳鼻科受診していました。

一般の診察室はこんな様子です

 

どろんこが耐性を作っていた?

実は!保育園に通う子どもは、家庭で保育される子どもよりも風邪をひく回数が多いようです。
しかし、小学校に入学すると、保育園に通っていた子どもは、通っていなかった子どもよりも風邪を引きにくくなります。
(私もほとんど体調を崩しませんが、幼稚園で様々な小児に接触しどろんこまみれになっていたおかげだったのかも・・・)。

保育園健診にも行ってきました

小児科のお薬

さて、問診・診察を経て「おそらく風邪だろう」と考えた際、どのような治療を行うのでしょうか。実は直接風邪を治す治療薬はなく、咳や鼻汁、熱に対してそれぞれの程度によって薬剤を選択する対症療法しかありません。そして治療薬の選択と処方量を決めることが難しいのです。

小児外来では戦隊モノに例えて、子どもたちに症状を伝えています

小児の処方量を決めるのは主に体重です。
成人ではあまり体重を気にして処方を行っていなかったので、小児科研修初期は患者の体重を問診で聞き忘れることが多く、再度聞きにいくことも何度もありました。

人知れず凹む渡部(イメージです)

例えば、去痰薬として処方されるカルボシステイン。
基本的に小児の場合、1日当たり体重×30 mgのカルボシステインを処方します。例えば体重10 kgの1歳児に対して処方するカルボシステインの量は1日300 mg。これを1日3回(朝昼夜)に分けて飲みます。乳幼児は基本的に錠剤を飲むことができませんので粉薬やシロップを処方します。

実はこのカルボシステイン!私も試飲しましたけどラムネのように甘いのです。

薬の試飲中

カルボシステインをコネコネして「はい、ラムネだよ」と渡されても私はたぶん気づきません。
*やってはいけませんよ

ちなみにステロイドは苦いのですが、試しに甘いシロップに混ぜて飲みましたが、それでも苦みは残りました。
この辺りは過去の先輩たちが情感豊かにレポートしています。

 

実際に薬剤を試飲することで、子どもたちに処方する際に、どの薬剤を選択すれば、進んで飲んでくれるか、また苦い薬に関しては何と混ぜれば苦みが薄まり、嫌がらずに飲んでくれるかを学ぶことができました。

子どもたちがリラックスしてくれるように診察室には色んなグッズを配置しています

少し豆知識

1歳未満の乳児には、使用が制限されますが、ハチミツを1~3日間摂取することで咳の程度が制限され、咳が出る期間が短縮される可能性が報告されています。
(データが不足しており正式な治療法とはなっていませんが・・・)
1歳未満でのハチミツ接種で乳児ボツリヌス症を引き起こすことがあるので、必ず医師に確認してから摂取させてください。

残り1ヶ月小児科研修が続きますが、今までの反省を活かすとともに新しいことを積極的に吸収していきたいと思います。

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