2025.01.08
研修医ブログ
岡山での学びと思索:地域づくりと未来への視点
皆様、お久しぶりです。1年目研修医のペンネーム「すこやか茶」と申します。
だいぶ日が過ぎてしまいましたが、9/29(日)~30(月)で第16回全日本民医連共同組織活動交流集会in岡山に行ってきました。
岡山で出会ったものの1つが、写真の路面電車「おかでん」。その中でも、アニメ「チャギントン」を模した「おかでんチャギントン」がとても可愛らしく、印象的でした。
より良い地域を作るために
集会1日目は岡山シンフォニーホールにて全体会が開催されました。
能登半島地震に対する石川県健康友の会の支援活動や、全国各地の地域社会活動の実践報告が共有されました。
特に興味深かったのは「公園の施設充実化」という側面から、住みよい街づくりを目指した西淀川・淀川健康友の会(大阪府)の講演です。
もともと公園利用が多い地域で、より安全な遊具を設置したり、座りやすいベンチを増やしたり、トイレをより清潔にしていくことで、さらに地域の中での交流が活性化していく、という内容だったかと思います。
人口密度が高い大阪ならではの視点であり、学びの多い発表でした。
では、私が住む山梨県はどのような地域的特徴があるのでしょうか?
山梨の未来を見据えて
2023年の健康寿命は男性73.57歳、女性76.74歳とともに2位。一方、総務省の人口推計では、令和27年の高齢化率は秋田県、青森県、福島県、岩手県、山形県に次ぐ43.0%と推測されています。
山梨県は東京と近く若年層の県外流出も多いので、少子高齢社会がさらに進んでいくと感じています。ある意味、「高齢者メインの社会」になっていきます。
そのため、健康寿命を延ばし、高齢者が活き活きと暮らせる地域づくりが必要だと感じました。
例えば、高齢者の健康維持には骨折予防が重要です。公園などでの軽い運動や体操の場を提供すれば、身体機能の維持だけでなく、交流の場としても機能するのではないでしょうか。
こうした環境整備が、山梨県でも求められるのだと思います。
子どもたちがつくる未来のために
2日目はいくつものテーマ・会場に分かれての分科会。私は「居場所づくり」がテーマになっている会に参加しました。
ここでは特に「子どもの居場所づくり」の報告が集まっていて、子ども食堂や無料塾、学習支援、絵本の読み聞かせなどの実践報告が次々にされていました。
どの実践も子どもたちの助けになっていて素晴らしい内容でしたが、課題として運営者・支援者の高齢化による担い手不足や、そもそも自分たちが学習内容を把握するのが難しいケースなども挙げられていました。
ただそんな課題があって尚、「続けていく必要がある」「続けていくんだ」という強いメッセージが伝わってきました。
子どもたちは未来の社会を担う存在です。だからこそ、食事や学習の機会を提供することで、少しでも将来への希望を持ってもらい、本人たちにとって、より良い未来を掴む手助けになればよいと感じました。
私自身はまだ主体的に関わるイメージは持てませんが、診療の場面で何か子どもや家族の困難に気付いた時に、適切な支援につなげられたらな、と思います。
そのために、社会制度や支援に詳しい人が誰かとか、病院内ではどこにつなげば良いのかなどを知っていくのがよいと考えました。
地域づくりや未来への視点が凝縮されたこの集会での学びを、今後に生かしていきたいと思います。