2025.04.17
研修医ブログ
2024年度ポートフォリオ発表会
皆さま、「ポートフォリオ」をご存知ですか?
企業が業績報告するときのあれを思い浮かべた方もいると思いますが、我々家庭医療に関わるものからすると、実践の振り返り記録であり、専門医になるために必須の成果物でもあります。
詳しくは、過去に先輩が綴っているのでそちらをご覧ください。
ということで今回はポートフォリオ発表会についてブログを書くことになりました。総合診療専攻医の奥山です。
今回で4回目らしい
甲府共立病院で開催するポートフォリオ発表会は、今回で4回目。
初回は山梨県初の総合診療専攻医でもあった3人の先輩たちだけの発表会でしたが、2回目から専攻医5人の発表会が続いています。
ここで我々の発表したポートフォリオを、発表順で載せます。
私・奥山泰樹
領域:セクシャルヘルス/性を考慮したケア
表題:動悸・呼吸困難感を主訴にプライマリ・ケア外来を受診した更年期女性にBPSモデルを使用して治療を行ったことで症状の安定化につながった一例
服部耕大先生
領域:緩和ケア
表題:身体的苦痛の緩和とスピリチュアルペインの配慮に努め、短期間の関わりの中でも良好な看取りを実現できた肺癌終末期の一例
花輪大介先生
領域:家族志向のケア
表題:父親からの就業の強要と過労により心身のバランスを崩していたが、複数回の家族カンファレンスを通してお互いの意見を調整し日常生活復帰に繋げることができた一例
窪田由和子先生
領域:複雑困難事例のケア
表題:身体的、精神的、社会的に様々な課題を抱えた摂食障害の患者の病状悪化に際し、PCAMを用いて課題整理を行って安定化に努めた事例
元山隆太
領域:家族志向のケア
表題:医療者と家族の介護ケアの意見不一致に対して家族カンファレンスを行い、意見調整を行った一例
実は事故ってました
奥山は1人目の発表者。私の発表がコケるかコケないかで発表会の成否が占われると言っても過言ではありません。
しかし、3枚目のスライドに移ったとき、違和感が襲います。
「あれ…。これスライドの順番が違う」。
直前まで原稿とスライドの推敲を重ねて、あれこれ修正しているうちに、順番が入れ替わっていたようです。
しかし逆に直前まで睨めっこしていたため、頭の中で原稿を部分的に入れ替えることもまたできました。めちゃくちゃ動揺してましたが、何とか乗り切ることができました。
多職種連携を感じた時間
自分が1人目の発表だったこともあり、他の専攻医による発表はとてもリラックスして聞けましたし、発表も質疑もとても勉強になりました。
複雑かつ困難な症例を発表する専攻医も多く、発表するためにスライドにまとめるだけでも相当な苦労をしたのだろうなと、興味深く聞かせてもらいました。
ポートフォリオになるような症例は自分が行き詰まったり、困難でも真正面から向き合った症例が多いです。
そのため、どの専攻医も症例について尋ねられた質問は医学的なことでなくともスラスラと、まるで家族であるかのように答えていました。
「そんなところも家庭医を目指す医師らしい姿なのかな」と思います。
また、自分の発表もそうでしたが、コメディカルの方々から多くの意見や質問をもらえるのはとても良いですね。新たな気付きももらえるし、多職種連携を重視する総合診療ならではの醍醐味だと思います。
今後の発表会でももっと多くのコメディカルの方に参加してもらえたら嬉しいですね。
ここまで読んでいただいた皆さま、ありがとうございました!