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2023.06.02

研修医ブログ

グラム染色ブースお掃除日記

#研修医

おひさしぶりです。初期研修医2年目の森下です。
長田先生がブログ更新をがんばっていましたが、最終の更新から時間が空いてしましましたね。申し訳ないです。

昨年もブログで書いたかもしれませんが…
当院での初期研修ではグラム染色を行い鏡検する力を身につけるためのレクチャーが行われています。

細菌と抗菌薬

さて、突然グラム染色といわれてもピンとこない人がいらっしゃるかもしれません。

グラム染色 (引用:神奈川県衛生研究所ホームページ)

  • 細菌を色素によって染め分ける方法の一つで、細菌分類学の基礎になる重要な染色法である。
  • デンマークの学者ハンス・グラム(Hans G.j.Gram)によって1884年に考案された。

細菌は「本来は表皮にいるもの・腸管内にいるもの」「土壌で生活するもの・水辺にいるもの」などそれぞれ特性があります。


それらが体内でいわゆる悪さをしている場合に、感染症を引き起こします。
細菌による感染症に対しては抗菌薬を使用しますが、抗菌薬治療では悪さをしている細菌に対してフォーカスをしぼって薬剤を選択する必要があります。

「それは何故ですか」と聞かれるととても長くなるため割愛しますが…
端的にいえば、抗菌薬にも得手不得手があったり、何度も使うと耐性ができてしまったり、退治したくない細菌まで倒してしまうためです。

気になるかたは抗菌薬の適正使用について調べてください(特に医療従事者を目指している方は必ず調べてください)。

 

少し話がそれてしまいましたが、
抗菌薬治療において、最低限のリスクで十分な効果を得るには治療開始段階でどんな細菌が悪さをしているのかわかっておくことが重要です。

そこでグラム染色を行い、どんな細菌かを大まかに分類することが重要となります。

治療開始段階である程度の目星を付けるために、当院でも救急外来にグラム染色ブースが設けられています。
しかし、ここ数年は某Cウイルスのために検体の取扱いが難しく、以前と比べるとあまり行われていないのが現状です。

まぁそれでも自分たちでできた方がいいので、少なくとも染色方法と鏡検方法について学んでおります。
ただ、このグラム染色を行う上で、いくつか問題があります。
その大きなものの1つは、「薬剤でシンクがよごれてしまう」ことです。

2人でお掃除

というわけで先日お掃除することになりました。
このお掃除は毎年グラム染色係となった研修医が年に数回汚れたときに行います。

当院で研修した外科矢嶋先生も、かつてはグラム染色係だったとのことで、外来の合間で見守っていただきながらお掃除しました。

まずは感染対策のため手袋とエプロンを着用。

顕微鏡などを動かし術野を確保。

シンクを保護していた古いビニールを鈍的に剥離。

ゴミ袋を開いて、保護するための新しいビニールを用意。

ビニールでシンクを被覆し養生テープで固定。

水がビニールから流れないことを確認。

もとあったオリエンテーションを参考に顕微鏡などの位置を決定し移動。

終了!

研修医1年目のLi先生にも協力していただきながら、また「次回以降は1人でもできるように」と教えながらのお掃除でした。

実際の染色の様子については過去のブログや、これから書かれるブログを参照してください!

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