2023.12.28
研修医ブログ
ブログパルス最終日。御坂研修レポート~みんなで頑張っていきましょう
こんにちは。研修医2年目の森下です。
ブログ更新の原稿を立て続けに書いたせいで、報告するような近況がなくなってしまいました。
今回は御坂共立診療所研修における診療以外の内容について報告します。
診療と農業
以前、御坂共立診療所に通院される方々の多くが住む御坂・八代・芦川地域は農業がさかんとお話ししたかと思います。
そのため、朝早くから起きてからだを動かしている人が多かったり、出荷の時期は忙しかったり、日焼けしている人が多かったり、果物の収穫時期には血糖管理が悪くなったりと生活・農業のサイクルと全身状態は切っても切り離せない関係にあります。
そんな生活の一環にある農業について触れようと、御坂共立診療所研修では農業体験が行われています。
タイミングが合えばシャインマスカットの収穫などもあるとのことです。
ぼくが研修した11月の時期は、次のシーズンに向けての準備や干し柿作りが行われていました。
ちなみに、ぼくは長野県南部(いわゆる南信地域)の出身です。
驚くほど自然が豊かで高い建物もない、コンビニもそんなに多くないようないわゆる田舎で、御坂地域と同じように果樹栽培や農業も盛んな地域です。
たまには出身地のアピールをしておこうかと思いますが、「市田柿」という干し柿が有名です。バターやクリームチーズ、チョコレートなどを挟んだお菓子もあるとかないとか。
ふるさと納税の返礼品にもあるので興味がある方は検討してくださいね。
まぁそんな南信出身の森下、柿の皮剥きをした回数も数える程度しかありません。
(そもそもそんな経験をしたことがあるほうが珍しいかもしれませんが)
「この辺りの人はこうやって生活を続けているのか」「完成した干し柿も甘いものだったらまた血糖上がる人いるよなぁ」など考えつつもくもくと柿の皮を剥きました。
フレイルってなに
みなさん、フレイルというものをご存知ですか。
フレイルとは、加齢に伴う予備能力低下や機能変化のため,外的ストレスに対する脆弱性が増加した状態を指し、主に高齢者において、健康な状態と要介護状態の中間に位置し、放置すれば要介護状態になり、適切な介入によって回復が可能な段階です。
ちなみに、単に「足腰が弱ってしまった」ということをさすのではなく、筋力低下などの身体的な面、認知機能低下などの精神・心理的な面、社会参加機会の減少など社会的な面といった多面的な概念です。
自分の力で食事をとることができなくなった、行きたいところに行けない、家事や趣味をしたくても足腰が動かない…
家の外に出て何かしたいけど、ひとりで何かやるのも億劫だし、同じ世代のお友達はみんなヨロヨロしている。
これらはあまり好ましい状態とはいえない、と感じるのではないでしょうか。
フレイルはその前の段階であり、適切な介入により回復が可能です。
それなら、まちへ出てフレイルに至っていないかチェックし適切に介入していきましょう!
ということでフレイルチェックイベントが開催されました。
フレイルチェック
企画がスタートしたら、まずは自己採点方式で配布されたチェックシートを埋めていきます。
自己採点が終わったら、グループに分かれて身体機能チェック
一通りの計測が終わったら、フレイルについての講演。いまの状態がどうなのか、何がよくないのか、よくするには何が必要かということをちいきのみなさんといっしょに考えてきました。
御坂歯科診療所や訪問看護のスタッフの方々も参加し、口や体を動かす体操、また社会参画に関わるアドバイスなど実際体を動かしたりと大盛況のうちに終了しました。
御坂研修を振り返って
ちなみに…、当院はヘルスプロモーションを実践するためにWHO(世界保健機関)が開始した国際的な病院のネットワークに加盟しております。
ヘルスプロモーションの一環としてもフレイルチェックは重要な立ち位置にあると思います。
上記ネットワークについて詳しく知りたい方は、ぼくなんかよりも熱い気持ちをもったせんぱいいしのブログを参照してください。
最後に。
医師の初期研修には地域研修が必修となっていますがその意義とはなんでしょうか。
そういったことは各個人の価値観によるものかとは思いますが、御坂共立診療所研修は今後の医師人生において大きな意味をもっていると確信しています。
渡部先生は他院での地域研修をだいぶベタ褒めしていましたが、御坂共立診療所も負けていませんよ。
今後研修を考えている後輩医師、あるいは初期研修先を探している医学生の皆さん、一考の価値ありなので、ぜひ相談・見学に来てください。