2022.05.24
研修医ブログ
粉薬のマリアージュ 〜抗菌薬にオレンジジュースを添えて〜
今月から小児科のローテーションとなり、小さい子とたわむれて毎日ほくほくしている研修医の齋藤です。本日は、小児科でよく使われるお薬の試飲についてご報告です。
これまでの先輩方の記事を拝読するに、(一部の薬を除き)小児向けの薬は美味しいものも多いようです。食べることと料理が趣味で、飲み会(内視鏡じゃなくてお酒の方です。最近できていませんが…)が大好きな食いしん坊の私はとてもわくわくです。
今回は気合を入れて薬を単体で飲むだけではなく、飲み物との飲み合わせも試してみました!
薬には、相性の良い/悪い飲み物があるのはご存知でしょうか?
最近、某薬剤師をテーマにしたドラマでも紹介されていたので、知っている方も多いと思います。知らない方は「粉薬 飲み物 相性」などと検索するとすぐ出てくるので調べてみてくださいね。
今回用意したのがこちら!
まずは、薬単体でそれぞれ試飲してみます。
初めは咳止め薬の粉薬、カルボシステイン。
普通に美味しい! ヨーグルトのような爽やかな酸味と、優しい甘味で、普通におやつとして出されても美味しくいただけそうです。
お次は抗菌薬のワイドシリン。
抗菌薬系はあまり美味しくないとの噂ですが……いただきます。
うーん。最初はラムネのような甘味ですが、後から薬本来の渋味・エグみが口に残ります。渋味のせいでさらに唾液が分泌されて、どんどん口内にイヤ〜な感じが広がっていきます。
さて、ここで抗菌薬に相性が悪いと噂のオレンジジュースを合わせてみます。
結果は……最悪。
強いて例えるのならば、酷い二日酔いの口腔内の気持ち悪さから酸っぱさを引いて、苦味を3倍にしたような感じ(伝わるのか…?)。ドラマの中でお子さんが嫌がっていた気持ちがよく分かりました。
そしてラスボス、プレドニゾロン。
先輩方の記事では「激マズ」「不快な後味」「オヘェェッ!!」など散々な言われようでしたが、お味はいかに…?
う゛ッ マズッ
最初は「無味乾燥のただの粉」という感じですが、後から強烈な苦味が襲ってきます。これはきつい。
急いで乳酸菌飲料を飲みます。プレドニゾロンと相性がいいと言われていますが……?
苦味が乳酸菌飲料のまろやかさでカバーされて、だいぶスッキリしました。う〜ん、有ると無いとじゃ全然違いますね。ほかにもチョコアイスなどがプレドニゾロンと相性がいいそうです。もし必要になった場合は試してみてくださいね。
続いて、シロップ薬も味見をさせていただきました。
いくつか味見をした中で、一番美味しかったのは抗アレルギー薬のポララミン。
おいし〜~~〜〜〜い
味もオレンジの爽やかな風味で、ジュースよりは甘めですが甘ったるすぎるわけでもなく、おやつ感覚で飲めちゃうお味でした。
小児科の鎌田先生曰く、お薬が美味しくないと、初回は飲んでくれても、2回目以降に嫌がってしまって飲ませるのが難しくなってしまうそう。私ももうプレドニゾロンは飲みたくありません。
お子さん相手に適切な治療を行うためにも、お薬の味や形状を飲みやすいように考えて処方するのが大切なんだなあと学びました。
この経験も生かして、これから2ヶ月間、小児や親御さんたちとの関わりを大切にしながら小児科研修を頑張っていきたいと思います。
私は美味しくておかわりまでしてしまった抗アレルギー薬の副作用で眠くなってきましたので、今日はこの辺で失礼させていただきます。
(※単に昼食後で眠いだけです。味見はそれぞれほんの少量ずつなので、作用が出るほどの内服はしていません)
それでは、おやすみなさい。