2024.01.22
研修医ブログ
J-HPHカンファレンスに行ってきた!
こんにちは、最近寒いしコロナになるし白髪が増えるしでナーバスになっている総診の窪田です。
11月11日〜12日にかけて、第8回J-HPHカンファレンス2023に参加してきたので報告します!
おさらい:HPHとは
Health Promoting Hospitals & Health Servicesの略です。ざっくり言ってしまうと患者さん、職員、そして病院に来ていない地域の人々、みんなの健康づくりをサポートする役割を担う病院のことです。
HPHは世界的にネットワークを作って活動しており、日本にも日本HPHネットワークがあります。
2023年12月時点で全国に121の加盟事業所があり、甲府共立病院もその1つです。
※8月に甲府共立病院で開催された学習会の様子はこちら
全国の加盟事業所からHPH活動に励んでいる仲間が集まり、年に1回学習や活動交流をするのがJ-HPHカンファレンスです。
いざ当日~基調講演
今回のカンファレンスには、甲府共立病院からHPH推進委員会委員長の西山先生、研修医の穐山先生、私の3人で参加しました。昨年はぼっちで参加したので、複数名で参加する事ができて非常に心強く、嬉しかったです。
今回のカンファレンスは「Well-being(幸福)な社会に貢献するヘルスプロモーション〜持続可能で公正な社会を目指して〜」というテーマのもと開催されました。
基調講演でのリューディガー先生(WHOが2021年に提起したジュネーブ憲章の起草者)と、イローナ先生(1986年に採択されたオタワ憲章の起草者)の講演内容が、かなりテーマにフォーカスしているものであったため紹介します。
※このお二方はWHOのエース中のエース的な存在で、「野球に例えるならば、ベーブルースさんと大谷翔平さんが対談しているようなもの」と司会の先生が仰っていました!
新型コロナウイルス感染症や戦争、格差の拡大、気候危機といった地球規模の課題が山積する中、Well-beingは近年新たな価値として重要視されているそうです。
例えば、「幸せの国」として知られるブータンは、国政を行っていく上で国民総生産(GNP:Gross National Product)よりも国民総幸福量(GNH:Gross National Happiness)を重視していて、
GNHは①持続可能で公平な社会経済開発、②環境保護、③文化の推進、④善い統治の4本柱のもと、9つの領域、33の尺度に則って測定され、国としての質や政策の評価に用いられているとのこと。
他にもオーストラリア、ボリビア、カナダ、フィンランド、インドなどの国で、Well-beingを重視した国政が行われ始めているとのお話でした。
Well-being (幸福)という、ともすると主観的な評価になってしまうものに、「国が具体的な評価基準をおいて重要視し、政策づくりをしていく」というのはとても面白いし、それが実際に国民の幸せにつながっているならば、すごく良いのではないかと思いました。
ドキドキのポスター発表
そして、今回私は初のポスター発表を行ってきました!!
演題は「当院産婦人科外来における経済的支援ツールの導入について」。経済的支援ツールとは日本HPHネットワークが作成した、経済的困難を抱える患者さんを早期に拾い上げるための問診項目のことです。
当院では2023年4月より産婦人科外来の初診問診項目に経済的支援ツールを導入。導入までの経緯と、支援ツールにて拾い上げられた患者さんや実際に相談につながった患者さんの数、実際に運用しての課題などをまとめて発表させていただきました。
とても緊張しましたが自分なりに満足のいく発表ができたと思いますし、フロアからもたくさん質問をいただいて、取り組みへのヒントを得る事ができました。
お忙しい中ご尽力、ご協力くださった西山先生、Iさん、Mさん本当に本当にありがとうございました!!!
たくさんの学びや経験を得る事ができ、とても面白く刺激をうけたカンファレンスでした!
甲府共立病院のHPH活動をさらに盛り上げていきたいと気持ちが改まりました。
そして、来年2024年11月6日〜8日には広島にて国際HPHカンファレンスが開催されます!
日本のみならず世界からHPHネットワークに加盟し活動する仲間が集まる貴重な機会となります。今からとても楽しみです!
こちらにもまた複数人で参加したいですし、ポスター発表も出せるよう気合い入れて頑張りたいと思います。