2023.10.28
研修医ブログ
牧丘病院研修レポートvol2.自然に囲まれた地で地域医療
朝寒くて起きるのが苦痛な季節になりましたね。
甲府共立病院から離れ早くも1か月!牧丘病院での地域医療研修が終わろうとしています。思っていた以上に早く終わってしまったと感じます。
牧丘には美味しいお店もあり、「そば丸」という蕎麦屋さんにも行きました。
写真は穴子天重膳/蕎麦のセットです。
穴子は大きくとても美味しかったので、もし近くを通った際は寄ってみてください。
コミュニケーションと問診の違い
訪問診療を行っているとき、岡本雄太郎先生より「会話のレパートリーを増やすといいよ。利用者の体調に目を向けることも大事だけど、部屋に飾ってある賞状や写真を探すことも大切」と言われたことがありました。
牧丘病院での訪問診療で最も大切にしていたことは、利用者とのコミュニケーションです。「医師はコミュニケーション能力が必要である」どこかで聞いたことがあるとは思います。
「お通じはどうですか?」「夜は眠れていますか?」「食事は食べられていますか?」「体調はどうですか?」等を訪問診療で利用者さんの自宅に伺った際に必死に聞いていましたが、いつの間にか決まりきったことしか聞いていませんでした。
コミュニケーションではなく、医師として問診をしているだけになってました。
利用者の生活背景を知るために
「週末は何していましたか?」「(飾っている写真をみて)お孫さんはまだ小さいのですか?」「娘/息子さんは元気ですか?」。
プライベートに踏み入って話を聞くことで利用者さんは嬉しそうに話してくれます。プライベートについての話は雑談ではなく、訪問診療にとってとても重要なことです。
普段利用者さんが、どのような趣味を持ち、どのような1日を過ごしているのか、どのような家族がいて、人間関係は良好なのか、地域の人間関係はどの程度か等を知ることができます。
利用者さんの生活背景を知ることで個々の利用者さんが今必要なサービスや治療について直接知ることができます。
訪問診療で関わることで急性期での対応がスムーズに
家族志向のケアの原則の中に「家族は患者にとって貴重な資源であり、治療において強力なサポートとなりうる」と書いてあります。
訪問診療の良いところは「利用者さんがどのような生活を行っているか」「家族との関係は良好か」などを、直接目で見ることができることだと思います。
生活環境を知ることで、たとえ入院してADLが低下したとしても、「自宅の間取り」「家族がどのような人か」「本人の家での生活」を理解しているため、どの程度まで回復すれば自宅に帰れるかの目標も立てやすくなります。
また、入院や・ターミナルの状況に遭遇したとしても、顔見知りの医師であれば、家族や本人も安心して任せてもらえる存在になれます。
病院の外来診療だけではできない、「生活環境を知る」という訪問診療の良さを1か月で学ぶことができました。
整形疾患はエコーでも評価できる
訪問診療だけではなく、外来では古屋聡先生より腰痛患者における超音波の見方を学び、肋骨骨折や腰部の筋の同定が以前よりもできるようになりました。
研修内では筋膜リリースや関節穿刺もさせていただきました。難しくて間違えてばかりでしたが…。
しかし、経験を増やさないと成長もしません。今後、腰痛患者に出会った際には率先してエコーにトライしたいと考えています。
最後に
初めて行く土地、初めて行く病院で研修を行い新しい発見をすることができ大変満足しています。
牧丘病院の先生・医療従事者の方々、本当にお世話になりました。