2025.05.25
研修医ブログ
長期的な全人的関係に基づくケア
専攻医2年目の奥山です。
ポートフォリオ発表会の記事に引き続きまして、その翌日に行われた家庭医ワークショップについてご紹介します。
いつもはアウトドア/レクリエーション担当ですが、今日はまじめなお話を。
今年の学習テーマはLongitudinality
毎年、甲府共立病院の家庭医療・総合診療科ではワークショップや学習会を、医師・コメディカル・医学生に向けて行っており、今年度の企画は「longitudinality(長期的な全人的関係に基づくケア)」でした。
継続的にみる(診る・看る)ことは総合診療医・家庭医において重要な特徴で、その専門性を発揮する分野になります。
平たく言えば「かかりつけ」です(平たく言いすぎたか・・・)。
ケアの継続性における7要素
継続的なケアを実践するために意識すべき要素として、次の7種類の要素が提唱されています。
①経時的/ 縦断的な継続性(chronologic / longitudinal continuity)
②地理的な継続性(geographic continuity)
③対⼈関係における継続性(interpersonal / personal / relational continuity)
④境界横断的な継続性(interdisciplinery / cross-boundary continuity)
⑤情報の継続性(informational continuity)
⑥管理上の継続性(management / flexible continuity)
⑦家族の継続性(family continuity)
①同じ地域で時間をかけて患者さんの理解を深め、
②外来、入院、在宅と場所を問わずに診療をして、
③患者さんとの双方の信頼を育みながら、
④多職種のチームで患者さんを中心に診療を継続し、
⑤患者さんの情報をシームレスに共有しながら、
⑥状況・状態の変化にタイムリーに対応し、
⑦家族の構成員にも継続的にケアを提供する。
かなり盛りだくさんですが、これが実践されているかかりつけ医になら、ずっとみてもらいたいですよね。
学びあり笑いありのワークショップ
実際のワークショップでは、前半で上記の要素について樋山先生が講師となり和気あいあいとしながら美しいパワーポイント資料に沿って講義を受け、模擬症例でどの要素が実践されている継続性なのかグループワークしました。
後半では、それぞれのグループで模擬症例を作成し、ストーリーを創作して患者・医師・家族・コメディカルなどの役割をもち、演技しながら、継続性のある診療を再現しました。
不思議な家族の演技をしたり、怪しい健康youtuberの演技をする人もいて、笑いもありながらも文面だけでは理解しづらい継続的な医療・ケアを学ぶことができました。
私はまだまだ研修中の身で、後期研修1年目が終わったばかり。胸を張って継続的な医療ができているとは言えないのが本当のところ・・・。
今後の研修を通して上司の先生方、病院のコメディカルの皆様の力を借りながら成長しようと決意を新たにしたのでした。